アモバン

アモバンの副作用・離脱症状について徹底解説

 

このサイトでは、アモバンの副作用や離脱症状について徹底解説しています。少し長いですが、是非お読みください。

 

目次

 

アモバンとは?

 

アモバン(成分名:ゾピクロン)は超短時間作用型の睡眠薬です。シクロピロロン系の睡眠薬で、現在主流となっている非ベンゾジアゼピン系に分類されます。おなじく非ベンゾジアゼピン系のマイスリーと並びよく使用される睡眠薬ですが、アモバンの方が作用時間が長く、入眠しやすいということでよく使用している人も多いでしょう。

 

GABA受容体に作用し、脳の神経をしずめることで入眠効果を起こします。ただし、副作用もあるほか、連用すると依存性・耐性形成が出てくるのが問題となります。

 

アモバンの副作用の割合・確率はどのくらい?

 

アモバンには添付文書(取扱説明書のようなもの)があり、副作用の出る確率・割合が記述されています。10,000件以上の症例から取り出したデータなので、信憑性はあります。

 

病例

副作用発生確率

11,677例中831例

7.12%

参考ページ:アモバン添付文書

 

上記がアモバンの副作用の臨床試験データとなっています。実際のところとは多少誤差がある可能性もありますが、アモバンの副作用確率はおおむね7~8%くらいと考えていいでしょう。

 

7~8%と聞いてもピンとこないかもしれないので、他の医薬品との比較表を見てみましょう。

 

医薬品種別

副作用の確率

抗生物質(クラビット、クラリスなど)

約3~4%程度

解熱・鎮痛剤(NSAIDs:ロキソニン、ボルタレンなど)

約3~10%程度

向精神薬(アモバン、デパスなど)

約7~10%程度

 

アモバンの副作用率は、よく使用される抗生物質や解熱・鎮痛剤に比べるとやや高くなっており、強力な解熱・鎮痛剤(ボルタレンなど)と同程度の割合・確率とみることができます。向精神薬のジャンルで言えば、アモバンの副作用はデパスと同程度と言えます。アモバンの副作用は、それほど弱いとは言えないと考えてよいでしょう。

 

アモバンの精神系の症状 - ふらつき、頭痛、めまいなど

 

アモバンの副作用でもっとも多いのが、「精神系の症状」となっています。

 

1%以上 0.1~1%未満 0.1%未満
- ふらつき(0.89%)、眠気(0.51%)、頭が重い(0.22%)、頭痛(0.19%)、不快感(0.13%)、めまい(0.12%)等 -

頻度不明:錯感覚(触られただけで冷たいと感じたり、とげが刺さったように痛く感じたりする)

 

アモバンを服用すると、上記の精神系の副作用が現れる可能性があります。いずれも1%以下で確率は低いように見えますが、合算すると数%となり、100人中数人はこのような副作用に悩まされることになります。

 

アモバンの睡眠の質の低下が早朝・中途覚醒や悪夢を招く

 

アモバンは血中濃度最大時間(効果が最大になる時間)が約30~60分程度と非常に短いので、入眠剤としては最適です。ただ、半減期(効果が半分になる時間)が3時間程度と短いので、眠っている間に効果が薄れていきます。その結果、睡眠の質が上がらず、早朝・中途覚醒しやすいという欠点があります。

 

また、アモバンを服用すると浅い睡眠時間(レム睡眠)が長くなるので、夢を見る回数が増えます。もし日中ストレスなどがあると、その分悪夢を見やすくなるというのも特徴の1つです。

 

アモバンで健忘症や夢遊病、認知症のリスクあり

 

アモバンを服用した結果、記憶障害やせん妄などの副作用が出ることもあります。以下のような副作用が報告されています。

 

一過性前向性健忘 服薬してから寝るまでの出来事を覚えていない「一過性前向性健忘」が起こることがあります。この場合、夜間に目を覚まして起きていた時のことを覚えていることができません。例えば、夜中に起きてお菓子を食べて、お菓子を包装している小袋や食べかすが散乱しているのに、その事は全く記憶にないといったものです。毎晩このようなことを続けて太る原因になっていたのに、子どもたちの仕業だと思っていたというケースもあります。
夢遊病 無意識の状態で起き上がって歩き回ったり、何かをしたりする状態です。一過性前向性健忘の一種で、自分では何をしていたか覚えていません。
認知症の悪化 アメリカのFDAでは「高齢者の使用の場合は認知症の悪化の懸念がある」として注意が出ています。また日本でも認知症の人には使いたくない薬剤のリストにアモバンをはじめとした睡眠薬の名前が多数あがっています。
せん妄 高齢者が夜間、半分寝ているような状態となって暴れたり、訳の分からないことを叫んだりするのがせん妄です。アモバンの副作用でせん妄を誘発するという報告があります。

 

 

アモバンの消化器系の症状 - 口の苦み、口が渇く、吐き気など

 

アモバンの副作用で目立つものの1つに消化器系の症状があります。

 

1%以上 0.1~1%未満 0.1%未満
口中の苦味 口渇、嘔気(吐き気) 食欲不振、口内不快感、胃部不快感等

頻度不明:消化不良

 

まず注目すべきはアモバンの「苦み」です。アモバンを服用することによる「口の中の苦み」は、副作用の中でも最も多くなっています。

 

>>アモバンを飲むとなぜ口が苦い?口臭などの対処法

 

対処法については、↑をご覧ください。

 

アモバンの抗コリン作用が消化器系の副作用をもたらす

 

また、その他の症状も問題です。口が渇く、吐き気がするといった症状については、アモバンの「抗コリン作用」が影響していると考えられます。

 

アモバンはベンゾジアゼピン受容体に働きかけるため、入眠作用を持っています。しかし、それ以外にもアモバンには「アセチルコリン受容体(Ach受容体)」の阻害作用があることが報告されています。

 

Ach受容体は神経伝達物質のアセチルコリンを受け入れることで副交感神経をコントロールします。副交感神経は、口・食道・胃・小腸・大腸などの消化器系を動かしているため、大まかに言えばアセチルコリンは消化器系の働きを調整するということです。

 

しかし、アモバンを服用するとAch受容体の働きが阻害されるため、副交感神経の優位性が失われ、消化器系の働きが弱くなってしまうのです。

 

口渇、嘔気(吐き気)、食欲不振、口内不快感、胃部不快感等

 

その結果、↑のような消化器系の症状が出てくるわけです。

 

どの程度消化器系の症状が出るかは、体質によります。なので、アモバンを服用してつらい消化器系症状が出る場合は、他の医薬品に切り替えるのも手です。

 

ただ、アモバンだけでなく、マイスリーやルネスタなど、たいていの向精神薬には抗コリン作用があるため、同様の消化器系症状が出る可能性は高いです。なので、医薬品なしでも眠れるようになることが最も近道でしょう。

 

アモバンのせいで太りやすくなる場合はあるの?

 

アモバンを服用した結果、太ってしまったという症例もあります。アモバン自体に太る副作用は確認されていませんが、アモバンを服用して効き始めたころに異常にお腹がすくという報告があり、耐えきれずに食べてしまうことがあるようです。食べてすぐ眠ると太る原因になるため、アモバンを飲むと太るという話が出てくるのも自然な話です。

 

また、アモバンを服用したことでよく眠れるようになり、自律神経のバランスが良くなり食欲が増進する可能性も考えられます。ストレスが軽減して食欲が増したことも一因となるでしょう。

 

 

アモバンの骨格筋の症状 - 倦怠感、だるいなど

 

アモバンを服用すると、倦怠感やだるさが出て日常生活に使用が出る場合があります。

 

1%以上 0.1~1%未満 0.1%未満
- 倦怠感 脱力感等の筋緊張低下症状

 

アモバンの副作用の代表例が筋弛緩作用です。アモバンが本来、持っている作用の一つで、倦怠感や脱力感の原因となります。したがって、仮眠の前に飲んではいけません。十分な睡眠時間をとらないまま仕事に行くとか、夜中に一時的に起きて仕事をする場合は、アモバンは飲んではいけません。寝る前にやるべき事は済ませておきましょう。

 

筋弛緩作用が残りやすい人の場合、翌朝起きた時もまだ倦怠感やだるさやふらつきが出たりすることもあります。ただ、たいていの場合は午前10時ころになると、この作用は消えて行きます。

 

高齢者や、筋弛緩作用が強く出やすい人の場合、転倒の危険性もあります。アモバンを服用した夜、トイレに行きたくなって起床をした場合、ふらついて転倒につながる恐れがあるのです。もし転倒をして大腿骨骨折などの大けがをした場合、高齢者だと寝たきりになる危険性がありますので、十分な注意が必要です。

 

また、車の運転中に眠気が来たりする場合がありますので、車の運転や危険を伴う機会の作業は止めるべきでしょう。

 

 

アモバンの血液の症状 - 血小板減少など

 

ごくまれにですが、血小板の減少や体重増加などを訴える人も確認されています。

 

1%以上 0.1~1%未満 0.1%未満
- 白血球減少、ヘモグロビン減少、赤血球減少 血小板減少

 

血小板は血液中の成分で、止血作用があります。この血小板の数が減少したという報告が見られ、その結果血が止まりにくくなるなどの症例が出てきます。もし歯ぐきからの出血や月経量の増加、さらにはケガの出血がなかなか止まらないというときは、血小板の減少を疑ってください。

 

発症頻度自体はは約0.1%未満と非常に稀ですが、初回の投与から数週間から数カ月の間に、血小板数が減少することが多いです。以前服用していて再投与で血小板が減少する時は、服用後数時間から数日と言う短い期間で発症します。アモバンの中止で、大抵は7日ほどで血小板数は元に回復します。

 

 

アモバンの肝臓・腎臓の症状 - 肝機能・腎機能障害

 

どんな医薬品でもそうですが、アモバンにも肝臓・腎臓へのリスクがあります。

 

1%以上 0.1~1%未満 0.1%未満
- AST(GOT)の 上昇、ALT(GPT)の上昇、Al-Pの上昇、蛋白尿 BUNの上昇

 

アモバンは肝臓や腎臓を使って代謝・排泄されます。そのため、だんだん血中濃度が薄くなって、やがて体から消えることになります。もし代謝・排泄されなければ、ずっと体内にアモバンの成分が残ることになり、都合が悪いのです。

 

ただ、代謝・排泄には、少なからず肝臓や腎臓への負担がかかります。健康な人であればそれほど問題にはなりませんが、肝臓や腎臓の数値が悪かったり、なんらかの肝機能・腎機能障害をもっている人の場合、アモバンの代謝・排泄が負担になって、症状が悪くなる恐れがあります。

 

肝障害のある患者では3.75mgから投与を開始することが望ましい。やむを得ず増量する場合は観察を十分に行いながら慎重に投与すること。ただし、10mgを超えないこととし、症状の改善に伴って減量に努めること。

 

アモバンの添付文書にも、↑のように書いてあり、肝機能障害がある人の場合はアモバンの投与量を調節しなければいけません。

 

もしすでに肝硬変や透析などの肝機能・腎機能障害を抱えていたり、「健康診断でどうも数値が悪い」といった場合は、アモバンの服用は慎重に行うべきです。

 

 

アモバンの過敏症の症状 - 発疹・蕁麻疹やかゆみが出る

 

アモバンの副作用として、過敏症・薬疹の症状(発疹やかゆみ)が出ることがあります。

 

1%以上 0.1~1%未満 0.1%未満
- - 発疹

頻度不明:そう痒症(かゆい)

 

アモバンを服用すると、急に発疹や蕁麻疹が出たり、肌がかゆくて仕方ないといった事態になることがあります。これはアモバンを服用したことによる「過敏症・薬疹」が原因と考えられます。

 

「過敏症」という言葉からもわかる通り、この症状は「体質」が深く関わっています。たいていの場合は問題ないのですが、たまたま「アモバンで過敏症を起こす体質だった」という人の場合、体の免疫機能の過敏反応によって発疹やかゆみが起こるのです。

 

この過敏症はアモバンだけのものではなく、風邪薬や鎮痛剤などあらゆる医薬品で起こることがわかっています。なので、アモバンの服用で過敏症の副作用が出る場合は、「運が悪かった」と考えるほかありません。

 

アモバンで過敏症が出る場合は、服用は禁忌(NG)となるので、すみやかに中止しましょう。他の睡眠薬だと過敏症が出ない可能性もあるので、医薬品の切り替えが必要です。

 

 

アモバンで重大な副作用が出るケースもある

 

その他、アモバンの服用によって重大な副作用について解説します。いずれの場合も、すみやかにアモバンの服用は中止しましょう。

 

肝障害

まれな副作用ですが、強い倦怠感や白目や肌が黄色くなる黄疸や食欲減退などが見られた時や感じた時は、医師に報告しましょう。

 

アナフィラキシー

薬が合わずに激しいアレルギーを起こすこともあります。発疹やのどの腫れ、時には呼吸困難が見られることもあります。

 

呼吸抑制

服用後約4時間で血中濃度が半減して、作用がほとんどなくなってきますので、朝早くに目がさめる可能性があります。寝つきの悪いタイプには向いていますし、起床時にまだ眠くてふらついたり転倒する危険性や寝起きが悪くなる可能性は少ないですが、眠りが浅く早朝に目覚めるタイプの不眠症にはアモバンは不向きです。

 

 

アモバンの依存性と離脱症状について

一般的に、睡眠薬や抗不安薬には依存性耐性形成の副作用がありますが、アモバンも例外ではありません。

 

「依存性」は、薬の中に含まれている成分に体が依存してしまっていることで、薬を飲まなくても良い状態であるにもかかわらず薬に頼ってしまう、薬を飲まずにはいられないと言うような状況になること。
「耐性」とは、だんだんと体が医薬品に慣れ、効かなくなってきて、服用量が増えてきてしまうことです。

 

睡眠薬に関してはいくつかの種類があり、その種類によって依存度の強さと言うものがだいたいではありますが明らかにされています。この内、アモバンは非ベンゾジアゼピン系と言う種類に該当します。睡眠薬を6種類に分類した場合、このアモバンは依存度の強さで言えば上から4番目に該当します。

 

  1. バルビツール酸系
  2. 非バルビルール酸系
  3. ベンゾジアゼピン系
  4. 非ベンゾジアゼピン系 ←アモバンはココ
  5. オレキシン受容体拮抗薬
  6. メラトニン受容体作動薬

 

よってそれほど強い依存性があると言うわけではないのですが、ただ作用時間、睡眠効果の持続時間が短いため、依存度が高くなりやすいと言う特徴があります。

 

そのため、その点に関する副作用の発生には気をつける必要があります。副作用として考えられるのは、アモバンを飲む必要がなくなり、実際にアモバンを断った時に出てくる離脱症状です。薬に慣れていた体が、ある日、突然、薬が入ってこなくなったことに驚き、調子を崩してしまうと言うのが離脱症状です。

 

アモバンの主な離脱症状

胃痛、吐き気、耳鳴り、けいれん、意識混濁、幻覚、錯覚、精神の不安定化、強い妄想 など

 

この離脱症状は、アモバンを利用していた期間が長ければ長いほど、依存度やアモバンに対する耐性がついてしまっているが故に、重度化、長期化しやすくなると言われています。そしてそれに耐え切れず、また服薬を再開してしまうと言うのも決して珍しいことではないとされています。

 

もともと依存性はそれほど強い医薬品ではないので、まず第一に重要なことは医師のアドバイスをしっかり守って決められた服用量を保つこと。そして、アモバンの連用は避け、できるだけ早く不眠症状などを改善させ、断薬することです。