妊娠中・授乳中のアモバンが与える赤ちゃんへの影響

妊娠中のアモバン使用

アモバンを服用中に妊娠したとか、現在妊娠中でアモバンを飲んでみようか悩んでいる女性は、妊娠中も継続して服用しても赤ちゃんに影響はないのか気になると思います。

 

ここでは、睡眠薬でよく使用されているアモバンが、妊娠中、授乳中に赤ちゃんに害はないのか説明します。

 

妊娠中の使用について

基本的には、睡眠薬に関しては「妊娠中は服用しないほうがよい」というのが一般的な見解です。胎児の奇形のリスクなどがあるからです。

 

もちろんリスクの大小は医薬品によって違いますが、例えばハルシオンユロージンといった医薬品に関しては「リスクが高いため禁忌(絶対NG)」とされているほどです(後ほど詳しく解説)。

 

とはいえ、妊娠中は女性ホルモン分泌量が大きく変化する時期でもあります。その結果、肌荒れなどの目に見える変化以外に、イライラしたり、不眠になるなどの精神的な変化が現れる女性もいます。

 

普段から不眠気味の女性が、妊娠によって余計に症状が重くなったりすることもあるので、やむを得ず睡眠薬の使用が許可される場合もあります。これは睡眠薬のリスクよりも、ママの健康を損なって流産などになってしまうリスクの方が大きいと判断しているためです。もちろん、この場合も使用禁忌の医薬品は避け、リスクの低いものを選ぶことになります。

 

アモバンは使用してもいいの?

妊婦が使用してもいい医薬品については、さまざまな機関によってデータ化されており、明確な判断基準があります。例えばアメリカ食品医薬品局(FDA)やオーストラリア医薬品評価委員会・先天性異常部会などが評価を発表しているので、そちらのデータを見ればよいでしょう。

 

アモバンに関しては、オーストラリア医薬品評価委員会・先天性異常部会の評価がわかりやすいです。

 

オーストラリア基準

カテゴリー 評価
A すでに多数の妊婦に使用されてきたが、奇形が出た例はない。
B1~3 妊婦への使用例は少ないが、研究上は胎児への障害が出る証拠が少ない。
C 胎児奇形のリスクはないが、胎児や新生児になんらかの有害作用がある、もしくはその疑惑がある。
D 胎児奇形のリスクがある。有害な作用の疑いもある。
× 胎児への奇形・障害の明確なリスクがあり、妊婦への使用は禁止。

 

↑が評価基準の一覧ですが、アモバン(ゾピクロン)は「C」に分類されています。つまり、アモバンを服用すると、「胎児や新生児になんらかの有害作用の疑いがある」ということになり、A~Bのカテゴリの医薬品に比べてやや危険性が高いということになります。

 

もちろんDや禁忌薬に比べれば安全なので、医師がアモバンの服用を勧めるケースもあるかもしれませんが、それはよほど不眠が重症であるなどの例のみで、一般的には「妊娠中は服用をやめましょう」と言われることになるはずです。

 

また、やむを得ず服用していた場合も、妊娠の終わりには服用をやめたほうがいいでしょう。出産して、赤ちゃんの体内から薬がなくなると、赤ちゃんが離脱症状を起こす危険があります。落ち着かない。哺乳がうまくいかない。激しく泣く、などの症状があります。ですから、どうしても眠れないというときに、ストレスをためないためにも睡眠薬を飲むことは仕方がないですが、長い妊娠期間中に、自然に眠れるように、睡眠に良い生活習慣を身に着けることがベストでしょう。寝る前にぬるめのお風呂にじっくりつかり、体温を上げることなどが効果的です。

 

授乳中の使用について

アモバンを服用して授乳すると、当然、赤ちゃんも睡眠薬を服用することになります。すると、赤ちゃんの睡眠に大きな影響が出てしまいます。夜間の授乳が必要なのに、薬の影響で眠ってしまう、ということになりかねません。ですから、もしどうしても睡眠薬が必要で服用しなければならないとしたら、完全に薬の効き目が切れるまで、授乳は避けたほうがいいでしょう。お母さんも体を休めることが大切ですから、薬を飲んでぐっすり眠っている間は、ご主人にミルクか、薬を飲む前に搾乳していた母乳を飲ませてもらうのも一つの方法でしょう。

 

妊娠中、授乳中のアモバンの服用は、治療上の有益性が危険性よりも上回ると判断された場合のみ、医師から処方されます。決して個人の考えだけで服用してはいけません。かかりつけの医師とよくご相談の上、判断してください。