アモバンの効果|発現時間に注意して使用しよう

アモバンの効果や発現・持続時間を知ろう

 

アモバンは不眠症・睡眠障害に効果を発揮します。しかし、「超短期型」と呼ばれる睡眠薬なので、発現時間・持続時間に注意しないとうまく利用することができません。

 

ここでは、アモバンの効果が出やすい状況、出にくい状況や使い方の注意ポイントを説明します。

 

目次

 

アモバンの効果が発揮される確率とは?

 

まずはじめにアモバンの効果で気になるのが、「どの程度の確率で効くのか」ということでしょう。アモバンの添付文章「臨床成績」のデータで、改善率が書かれています。

 

医薬品名

改善率

アモバン

56.7%(656/1,157例)

参考ページ:アモバン添付文書

 

上記がその改善率となりますが、だいたい55~60%となっています。この数値をどう考えるかは難しいところですが、半分弱の人には効果が発揮されないと考えることはできるでしょう。

 

それでは、アモバンをできるかぎり効果的に使うにはどうすればいいか、解説していきます。

 

アモバンの効果のしくみ(作用機序)

 

アモバンの効果的な飲み方を知るには、まずアモバン自体の効果のしくみ(作用機序)を把握しておかなければいけません。ここで説明します。

 

人間は昼間に起きて、夜になると睡眠する「体内時計」を持っています。これは日中は脳が覚醒状態で、夜になるにつれてだんだん抑制状態になるからです。しかし不眠症・睡眠障害の状態の人は、夜になっても脳が抑制されず、なかなか眠りに入れないことになるのです。

 

 

ここで、アモバンが活躍します。↑はイメージ図ですが、アモバンには脳のベンゾジアゼピン受容体を活性化させ、「Clイオン(Cl-)」を受け入れやすくします。

 

Clイオンには脳の働きを抑える作用があります。そのため、アモバンを服用すると、脳の働きが抑えられ、眠くなるわけです。

 

 

ここで注意したいのが、ベンゾジアゼピン受容体には主に2種類あるということです。

 

ω1受容体 睡眠作用を持つ
ω2受容体 抗不安作用・筋弛緩作用を持つ

(ω3受容体もありますが、精神面にはあまり関係ないので省略)

 

↑がベンゾジアゼピン受容体の種類となります。ω1受容体が活性化されると眠気が出て、ω2受容体が活性化されると抗不安・筋弛緩作用が出るわけです。

 

抗不安作用 興奮、イライラ、焦り、めまい
筋弛緩作用 倦怠感、ふらつき、転倒

 

ただ、不安や肩こりなどの症状がない人に抗不安作用・筋弛緩作用が働くと、↑のような副作用症状が出ることになります。

 

そこでアモバンの登場となります。アモバンは「非ベンゾジアゼピン系」に分類され、ω1に強く作用し、ω2にはあまり作用しません。

 

※非ベンゾジアゼピン系という分類ですが、ベンゾジアゼピン受容体に関わっています。

 

そのため、アモバンは睡眠作用は強い一方で、抗不安・筋弛緩作用はあまりありません。つまり、アモバンにはイライラや倦怠感といった副作用が、過去の睡眠薬より出にくいというメリットがあるのです。

 

ただ、ω2受容体に全く関わっていないわけではないので、人によっては倦怠感などの副作用が出ることもあります。

 

>>アモバンの副作用【離脱症状を抑えるには】

 

アモバンの副作用については上記の記事で解説しているので、見てみてください。

 

アモバンの効果発現時間などについて

 

次に、アモバンの効果の「発現時間」「持続時間」についてみていきましょう。これらを知っておくと、さらにアモバンを上手に利用できます。

 

発現時間 45分~1時間
持続時間 3時間~4時間

 

>>半減期は?持続時間はどのくらいで終わる?

 

アモバンの効果発現時間・持続時間の詳細は↑の記事をご覧ください。

 

アモバンは睡眠薬の中でもかなり効果の発現時間が短く、服用して1時間程度で睡眠作用が出てきます。ただし、その分持続時間も短くなっており、3~4時間で効果が切れてくる点も見逃せません。

 

つまり、アモバンは「眠くなるまでが早く、効果が切れやすい」睡眠薬だということです。

 

アモバンの効果が出やすい症状は?

 

アモバンはざっくりと「睡眠薬」のジャンルに入れられがちですが、実は効果的な飲み方は限られています。ここでは、アモバンが効果的に働くケースを紹介します。

 

入眠障害

 

アモバンの効果が出るまでの時間はおよそ30~1時間です。睡眠薬としてはかなり発現時間が短い「超短期型」に分類されます。そのため、布団に入ってもなかなか寝付けない入眠障害で効果を発揮します。
(※目を閉じて30分以上横になっても眠れないことを「入眠障害」といいます。)

 

心理的要因 仕事・プライベートのストレスが原因の入眠障害。
身体的要因 ケガが腰痛の痛み、皮膚などのかゆみ、花粉症やぜんそくのくしゃみ・咳などが原因の入眠障害。
薬理学的要因 カフェインやニコチンなどの覚醒作用による入眠障害。
精神的な要因 うつや統合失調症、不安症などによる入眠障害。
その他の要因 昼夜逆転や時差ボケなどによる入眠障害。

 

↑が入眠障害が出てしまう主な要因となります。どれも、アモバンを服用するとベンゾジアゼピン受容体がClイオンを受け入れやすくなり、脳の働きが抑制されて眠気が出やすくなるため、入眠障害が解決される可能性があります。

 

アモバンの効果がない、効かないケース

 

次に、アモバンがあまり効かないケースについてみていきます。アモバンを単なる「睡眠薬」だと思っていると、以下のケースを解決できない場合があるので注意しましょう。

 

中途覚醒・早朝覚醒

 

起きようと思っていた時間よりも、2~3時間早く目覚めてしまう経験をした人は多いはずです。また二度寝できればいいのですが、そこで目がさえてしまい、眠れなくなることを「中途覚醒」または「早朝覚醒」と言います。

 

中途覚醒した場合、睡眠時間は足りないので、その日の昼くらいから眠くなってきて仕事にならないなどのトラブルが起こります。

 

そして、この中途覚醒・早朝覚醒については、アモバンの効果は期待できません。アモバンは効果が発現するまで短いぶん、持続時間も3~4時間しかないので、眠っている間に効果が薄れてしまうのです。そのため、中途覚醒・早朝覚醒の症状がある人にとってはあまり役に立ちません。

 

もともと早朝覚醒を持っている人は、入眠障害ではないケースも多いです。「寝つき自体は問題ないけど、どうしても早朝に起きてしまう」と言う人の場合、アモバンはあまり適切ではありません。もっと持続時間の長いリスミーやレンドルミンの方が活躍するでしょう。

 

まとめ

アモバンは超短時間作用型なので、40分~70分ほどで血中濃度が最高値になります。なので、服用してから10~15分ほどで眠気が来て、30分くらいでほとんどの人が眠りに入ります。そのため、なかなか寝付けない「入眠障害」の症状がある人が利用する医薬品となります。

 

逆に言うと、効果が数時間で切れてしまうので、「中途覚醒」や「早朝覚醒」の症状がある人にはあまり効果がありません。

 

飲み方としては、眠る直前に服用するのが基本となります。服用してから歯を磨いたりお風呂に入ったりしていると、その間に効果が薄れて入眠しにくくなることがあるので、基本的には布団に入る前に飲むのが理想的です。